矮小銀河
Dwarf Galaxy NGC 4214
2011_05_12
 NGC 4214は,りょうけん座の方向約1000万光年にあ矮小銀河である。銀河としては小さいが,生まれたての星から古いものまで,星の一生のいろいろな段階をかいま見せてくれる興味深い観測対象である。

 画像中央の赤く小さな袋状のガス雲をよく見ると,青白い星が内部にぎっしりとつまっている。ガス雲から生まれた若く活発な星が1万〜5万度という高温で光を放ち,星から吹くガスが周りの雲を吹き飛ばすことにより,このような形状が作られている。赤い色は,星が放つ紫外線によって電離(イオン化)した周囲の水素ガスのものである。こうして周囲のガスが吹き飛ばされていき,星の材料が失われると,やがて星の生成がおさまっていく。

 若い星が主役となっているこの画像には,年老いた赤色巨星たちも赤い点状となって見えている。こうした星がやがて最期を迎えた時に宇宙空間に遺すガス物質が材料となってふたたび新しい星々が生まれ,命のサイクルが続いていく。
 
矮小銀河(dwarf galaxy)
 矮小銀河は数十億個以下の恒星からなる小さな銀河である。我々の銀河系には2000億〜4000億個の星が含まれているが,矮小銀河の規模はこの約1/100以下であり,特に小規模な矮小楕円銀河は球状星団と区別できないほどである。銀河系の伴銀河の一つである大マゼラン銀河には300億個以上の星があるが、矮小銀河に分類される場合もある。

 我々の銀河系が属する局部銀河群にはたくさんの矮小銀河が存在する。これらの小さな銀河は,銀河系やアンドロメダ銀河,さんかく座のM33銀河など,より大きな銀河の周りを周回していることが多い。銀河系の周囲には12個の矮小銀河が周回していることが知られている。星の数が少なく絶対光度も低いため,局部銀河群に属するもの以外はわずかしか知られていないが,宇宙全体にわたって多数存在し,多くは大型の銀河の周囲を回っているものと考えられる。

 矮小銀河の大部分は星間物質をほとんど持っておらず,主として種族IIの星で構成されている。矮小銀河は質量が小さく重力も弱いため,誕生の際に起こったスターバーストにより星間物質が加熱されて銀河外へ拡散してしまったためと推測される。(ウィッキーペディアより)
 
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